中国茶ぼちぼち日記

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陸羽「毀茶論」について

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

陸羽「毀茶論」について

8年ほど前にはじめて「茶経」を読んだ時、意外にも精神的なものへの言及が少ないということに驚いた。全編を通して、二箇所か三箇所くらいだったのではなかろうか。 解説書を頼りに読んだのだが、陸羽が書いた内容は、基本的に当時の茶のハウツーであり、茶道具の説明書であり、図像のないカタログという印象が強い。これが後世に遺ったのは、茶について書かれた史上初の書物であるということ、また、当時の茶の作法を易経的な世界観と結びつけようとする意思があったからだと思われる。 陸羽の時代の茶はいまの中国茶の姿とは違うので、実際、自分で茶を淹れて飲んでいても陸羽の文章を思い返したり意識したりすることはない。正直、読んだ内容の細かい点は、もうほとんど忘れてしまっている。 ところが...

サントリー烏龍茶のCMと「中国」

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

サントリー烏龍茶のCMと「中国」

烏龍茶ブームの嚆矢となった面もさることながら、長い間、サントリーの烏龍茶のCMでは、ひたすら「中国」が題材とされてきました。「中国」は、まるで通奏低音のように、烏龍茶商品の背景に常に意識され、描かれるべき像として、お茶の間のブラウン管/液晶パネルに茫洋と広がっていたのです。実際、80年代、90年代、2000年代と、サントリー烏龍茶の古いCMを見ると、その時々の日本人が、「中国」というものにどういうイメージを抱いていたのかを窺い知ることができます。...

一陽来復~陰陽の茶席~留香茶藝

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

一陽来復~陰陽の茶席~留香茶藝

先日、東京浅草で開かれた「地球にやさしい中国茶交流会(2016年)」を訪れました。この中国茶交流会は、毎年行われているようで、私ははじめてだったのですが、予想していたよりも会場が広く、出店されているショップさんもとても多くて、びっくりしました。その中で、今回私が参加させていただいたのは、留香茶藝さんの「一陽来復~陰陽の茶席~」です。...

鳳凰単叢鴨屎香

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

鳳凰単叢鴨屎香

龍井茶と同じように、銘茶であるにも関わらず福建であまり消費されていないお茶として、鳳凰単叢があります。単叢は、広東省潮州市鳳凰鎮烏ドン山の特産烏龍茶で、薫り高く、贔屓目なしで評してもすごく美味しいと思うのですが、福建と雲南という二大産地に挟まれているためか、どういうわけか地元(のはずの)広東のマーケットでも劣勢苦戦しているという、なんとも不遇を託つ茗茶のように語られてきました。ところが、その不遇のイメージから脱却するような兆しがここ一二年で感じられます。その象徴が、鳳凰単叢鴨屎香(ヤースーシャン)の流行で、その名前からは俄かに信じがたいのですが、蜜蘭香よりも蜜蘭だということで、単叢フリークの間ではいまや蜜蘭香と人気を二分するまでポピュラーになっています。...

ワケあり明前西湖龍井2015年

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

ワケあり明前西湖龍井2015年

西湖龍井は摘み取った日の夜に製茶師が手で釜で炒るのですが、その釜入りの過程で非常に芳しい香りが生まれます。掌の茶葉の香りを嗅いでいると思わずぱりぱりと茶葉を齧ってしまいたくなるくらいの芳ばしさです。本来はこの香りや味わいで茶の真価が決まるべきだと思うのですが、マーケットではどの茶畑のどの時期のものかが重視されており、毎年予約で捌かれるブランド畑の茶葉がはたしてどこまで価格相応なのかは疑問です。同じ畑の茶葉を同じ人間が製茶しても、決して同じお茶にはならないからです。...

坦洋工夫紅茶

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

坦洋工夫紅茶

春なので自然に緑茶が飲みたくなるのですが、この冬はずっと坦洋工夫紅茶を飲んでいて、朝の習慣になってしまいました。 坦洋工夫(tanyang gongfu タンヤンコンフー)というのは、福建省福安市坦洋村産の紅茶です。 福安は、白茶ベースの工芸茶やジャスミン茶の産地でもあるのですが、もともとは紅茶の名産地でもありました。 ここ数年の中国での紅茶ブームのお蔭で、この銘柄も息を吹きかえしたかのようです。 福安市内にはあちこちにこの銘柄の派手な看板や広告があり、もはや完全に紅茶の町になっています。 郊外には人口の半分以上がお茶で生計を立てている村もあるので、日本人的に言うならば、さながら 「紅茶で村おこし」ということになるかと思います。 味のほうは、なんともいえないまろやかさと、舌全体をふわりと包みすうっと徐々に広がる微妙な甘さが特徴です。...

茶を飲む人数と碗数について

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

茶を飲む人数と碗数について

だいぶ間が空いてしまいましたが、陸羽「茶経」を読む12回目です。 基本的に「茶経」第6章を読み進めるかたちでブログを書いていましたので、 今回は第6章の最後の段を読んでみたいと思います。 「さて美味で香り高い茶は、その碗数は三。これに次ぐ碗数は五。 もし座客の数が五人になれば三碗を行い、七人になれば五碗を行う。 もし六人以下なら、碗数を定めない。 ただ一人分だけ足りないときは、その雋永(ぜんえい)で欠けている人の分を補う。」 (引用元:布目潮渢「茶経詳解」淡交社 167ページ) ここは、どうもよくわかりにくい箇所です。 布目さんの解説でも、正直、上記の訳以外に解説らしい解説はなく、...

Etsyサイトにて工芸茶の茶葉のみを販売しています。

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

Etsyサイトにて工芸茶の茶葉のみを販売しています。

現在、Etsyサイトにて、工芸茶の茶葉のみを販売しています。 中国福建省アモイから国際郵便で発送いたします。日本へは、2週間〜3週間くらいでのお届け予定です。 よろしくお願いします。

茶経11「ああ天が万物を育てるのに・・・」陸羽の嘆き

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

茶経11「ああ天が万物を育てるのに・・・」陸羽の嘆き

陸羽の「茶経」を読む、第11回目です。 第8回-10回までは、餅茶の飲み方として、 代表的な茶器「風炉」の説明などをいたしました。 今回は、第6章に戻り、続きの第4節から読みたいと思います。 「ああ天が万物を育てるのに、すべてきわめて巧妙なところがある。 人がつくるものは、ただ浅薄安易をあさっている。 風雨から遮蔽されているのは家屋であり、家屋は優れ極めている。 寒さを防ぐために着ているのは衣類であり、衣類は優れ極めている。 飲と食は飽くほどしていて、食と酒はみな優れ極めている。」 (引用元:布目潮渢「茶経詳解」淡交社 164ページ)...

茶経10 茶器 風炉その2

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

茶経10 茶器 風炉その2

陸羽の「茶経」を読む、第10回目です。 今回は、茶器の風炉(ふろ/ふうろ)についての続きです。 該当の箇所の後半を引用いたします。 「三窓の上に、古体の文字で六字を横書きにし、 一窓の上に、『伊公』の二字を書き、 一窓の上に、『羹陸』の二字を書き、 一窓の上に、『氏茶』の二字が書いてある。 これは『羹(あつもの)では伊公、茶では陸氏』という意味である。 炉の中に中高い小山を置き、三個の格を設け、 その一格に翟(きじ)の図がある。...

茶経9 茶器 風炉1

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

茶経9 茶器 風炉1

陸羽の「茶経」を読む、第9回目です。 今回は、茶器の風炉(ふろ/ふうろ)についてです。 該当の箇所の前半を引用いたします。 「風炉(灰うけ) 風炉は銅や鉄を鋳造してつくる。昔の鼎(かなえ)の形のようで、厚みは三分、 縁の広さは九分、炉の中は空洞で厚みは六分、そこには、こてで土が塗りつけてある。 炉には三足があり、古体の文字で二十一字書いてある。 一足には『坎(かん)が上に、巽(そん)が下に、离(り)が中に』とある。 一足には『体は五行を均しくし、百疾を去る』とある。 一足には『聖唐が胡を滅ぼした明年に鋳る』とある。...

茶経8「餅茶」の飲み方、茶器について

投稿者 清香花楼 チンシャンファーロウ

茶経8「餅茶」の飲み方、茶器について

陸羽の「茶経」を読む、第8回目です。 今回は、陸羽の時代の茶「餅茶」の飲み方についてです。 餅茶の飲み方については、第5章「茶の煮立て方」で触れてはいるのですが、 作法やレシピとしての体系だった説明ではなく、 どちらかと言うと、茶を淹れるにあたっての注意事項といった風の記述です。 実は、「茶経」という本では、茶の飲み方そのものよりも、 道具についての具体的な記述が、第4章の「茶器」にあります。 陸羽は、個々の茶器・茶道具を列挙し、詳細に説明をしています。 この茶器についての具体的な記述を読むことによって、 間接的に、茶の飲み方についても様々な想像ができるようになっています。...

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