◆ 中国茶の種類もくじ ◆

中国茶の種類について
1.緑茶
2.白茶
3.黄茶
4.青茶(烏龍茶)
5.紅茶
6.黒茶
7.加工茶
8.茶外茶
中国茶マーケットの動向

中国茶の種類について

中国茶、と聞くと、みなさんはどんなお茶を思いつきますか?
烏龍茶、ジャスミン茶、プーアール茶・・・
中国には、数え切れないくらい多くの名前のお茶があり、品種もいろいろありますが、実は、元は同じ「茶の木」からできてます。それは、カメリア-シネンシス(Camellia Sinensis)というの名前のつばき科の常緑樹です。シネンシスの語源はラテン語で、「中国の」という意味です。カメリアは椿(つばき)のことなのですが、元々は、17世紀の宣教師で植物学者であったゲオルク・ヨーゼフ・カメルの名から由来しています。
カメリア-シネンシスは、世界で380種類ほどあり、そのうち260種類の木は、中国にあると言われています。

お茶の木の原産地は、中国の西南部(現在の雲南省あたり)で、お茶を飲むルーツもこの地域とされています。
ただ、なぜ人がお茶を飲むようになったのかは、学術的には決定的な結論にはまだ至っていません。薬用として飲み始めたという説が有力ですが、神話の世界の記述しかないので、歴史的な検証は難しいものと考えられています。
雲南、四川、貴州のあたりには、野生のお茶の木が現存していて、一番古いもので2700年の樹齢、人が植えた樹では、800年ほどの茶木もあります。

お茶の木 カメリアシネンシス
中国茶の種類 水色

すべてのお茶は、植物としては同じカメリア-シネンシスなのですが、製法、作り方が違うと、まったく別の味や香りになります。その「お茶の作り方によって分類する」のが、今からご紹介する「中国茶の種類」です。

主に、どのくらい発酵(正しくは酸化酵素の活性による酸化発酵)させるかで、6種類に分類します。これを「6大分類」と言い、緑茶(lvcha)、白茶(baicha)、黄茶(huangcha)、青茶(qingcha/烏龍茶/ウーロン茶)、紅茶(hongcha)、黒茶(heicha/プーアール茶)に分類されます。
日本でよく知られている烏龍茶は、分類上は「青茶」と呼ばれますが、中国でも烏龍茶(wulongcha)という呼び方も使われます。ただ、烏龍茶は種類が多いので、一般的には、安渓鉄観音や武夷岩茶、鳳凰単叢などと、銘柄名で呼ばれることのほうが多いです。プーアール茶は「黒茶」という分類で、そのまま英語にすると black tea なのですが、英語の black tea は、実際には「紅茶」のことです。ただ、英語圏の中国茶専門店だと、お店によっては、中国語からの直訳に準じてなのか、黒茶を black teaと書いて、紅茶を red tea と表記したりするところもあって、けっこう混乱します。

また、上記の6大分類以外に、再加工茶、茶外茶=健康茶類などを加えて、合計8種類に分ける見方もあります。

中国茶は基本的に発酵度で分類するので、茶葉の見た目が緑っぽくても、緑茶ではなく烏龍茶だったり、見た目が緑色なのに、白茶だったりします。
見た目以上に、中身(発酵)が重要ってことですね(・∀・)
上の画像は、発酵度の順にそれぞれのお茶の水色(すいしょく)を並べました。緑茶や白茶あたりはちょっと微妙なところもありますが、烏龍茶など発酵度が高くなると、どんどん水色も濃くなっていくのが分かりますね。一番濃いのはプーアール茶ですが、これは後で説明しますが、熟茶のプーアール茶です。生茶のプーアール茶だと、緑茶や白茶と同じくらい透明な水色になります。

また、発酵の度合いが高いお茶ほど、体を温める効果があります。漢方では、食品を「温性」と「涼性」の二種類に分けて考えますが、これは中国茶についても当てはまります。
紅茶や武夷岩茶などの発酵の進んだ茶葉は「温性」、緑茶や白茶、またジャスミン茶などの発酵度の低い茶葉は「涼性」となります。一般的に、涼性の茶葉は春夏の暑いシーズンに飲むのがおすすめで、温性の茶葉は冬の寒い時期に飲むのが人の体に適しています。
春は花茶、夏の暑い日は緑茶、涼しくなってくる秋には烏龍茶を、そして寒い冬には紅茶、というように、季節とともにメインの日常茶葉を回転させていくといいかもしれません。
ですので、例えば、ジャスミン茶の好きな方でも、ジャスミン茶のベース茶葉は白茶や緑茶などの涼性の茶葉が多いので、もし冷え性などでお困りの場合には、冬場にたくさんのジャスミン茶を飲むのは控えるようにしてください。熱湯で入れて温度が温かくても、涼性の茶葉は涼性なので、体を内側から冷やしてしまいます。冷え性の改善には、紅茶や岩茶などの発酵度の高い温性の茶葉が適しています。

他にも、6大分類とは別に、「再加工茶」という分類がありますが、ジャスミン茶工芸茶が、この、「再加工茶」の種類に入ります。
ベースの緑茶や白茶に、ジャスミンで香り付けをおこなったり、花を結んで、形を作ったりなど、お茶になったあとに、さらに人の手や花が加わっているものを「再加工茶」としています。

ちなみに、八宝茶花茶(薔薇茶や菊茶)は、お茶の葉を使っていないので「茶の外」(茶外茶)に分類されています。カフェインの入っていないお茶を探したい場合は、茶葉なしの八宝茶や花茶(ハーブ)がおすすめです。

1 緑茶(不発酵のお茶)

華南地域以外の中国大陸で一番飲まれているのが龍井茶などの緑茶です。からだの熱を鎮める(鎮火)といわれていて、夏や、お酒を飲みすぎたとき、吹き出物が多いときにとてもいいです。また、カフェインが多めなので目覚まし効果もあります。緑茶にはいろんな味がありますが、それは作り方が様々だからです。中国の緑茶の作り方は、摘み取り→殺青(高熱で発酵[酸化]を止める)→整形→乾燥という過程になります。摘み取り後にすぐに熱を入れて茶葉の発酵を止めてしまいます。殺青・乾燥の方法は、以下の表のように大きく分けて4種類あります。

緑茶の種類 特徴 中国茶の例 参考画像
A 炒青緑茶
(釜炒り)
平べったい形、珠の形など。
香ばしい香りと味わいです。
西湖龍井が有名です。
西湖龍井茶
碧螺春
蒙頂甘露
珠茶 など
西湖龍井
B 烘青緑茶
(熱風・熱)
ふわっと開いたような形の茶葉。
さわやかな香りと味わいです。
花茶のベース茶葉もこの作り方です。
黄山毛峰
太平猴魁
安吉白茶
など
安吉白茶
C 晒青緑茶
(日干し)
茶葉をそのまま乾燥させた形のお茶です。
茶葉本来の味が楽しめます。
雲南毛峰
プーアール茶(生茶)の原料
など
プーアール茶 生茶
D 蒸青緑茶
(蒸す)
中国では少ないのですが、
恩施雨露などがあります。
また、中国で日本向けに生産している
日本茶の煎茶や玉露もこれにあたります。
恩施雨露
日本茶全般 など

中国茶は、A炒青、B烘青、C晒青が主流ですが、日本茶はほとんど、D蒸青の蒸して作る方法です。ただ、近年は、日本輸出向けの茶葉(ペットボトルの原材料等)として、中国でも蒸青製法で多くの緑茶が量産されています。

中国の高級緑茶は、日本の緑茶と比べると生々しく、自然のままの荒い香りのものが多いです。新茶の味わいには格別なものがありますが、良いロットの茶葉は価格的にかなり高いので、日本の緑茶の繊細な味わいになじんている日本人にとっては、中国の品質の良い緑茶はちょっと割高に感じられてしまうかもしれません。。ただ、一度はまると、毎年の春の訪れにかかせない香りになります。。新茶=春の訪れとしてプレミアム感があるのは、日本も中国も同じです。

2 白茶(微発酵のお茶)

白茶は、特に清代に高級茶として珍重されていました。福建省北部の福鼎市や福安市が一番の産地です。香港の人が好んで飲んだりするのですが、2010年以降に中国大陸でも大ブームとなり、値が高騰して円盤形の老茶(陳茶)まで出回るようになりました。
白茶を固形茶にしてしまうアイデアは普洱茶(餅茶)の真似なのですが、いまの中国では白茶の餅茶は高級茶として売れる時代になっています。実は、1980年代-2000年は販売不振で、福鼎市も福安市も、ジャスミン茶や工芸茶などの加工茶生産と海外への輸出に力をそそいで茶産業の維持に努めていました。現在は紅茶の生産も盛んで、加工茶にまわる白茶の茶葉が減少傾向にあります。
白茶の人気の趨勢、移り変わりを見ると、いわゆる「高級茶」なるものが、流行や人気に左右される、とても相対的なものであることが分かります。(人気のない茶葉を「高級茶」として高い値段をつけてもあまり売れないので。)
白茶は、とてもやさしいくて甘い味がします。また、長い時間お湯に浸かっていても苦くなりません。摘み取った後、ちょっとだけ発酵させて、熱を加えて発酵[酸化]を止めます。白毫銀針や、白牡丹などが有名です。白毫(バイハオ)は芽の表面の白い産毛のことで、福建語で「パーホウ」といいます。「ピコー」pekoe という言葉は紅茶の茶葉のこととして知られていますが、この「ピコー」の語源は、福建語「パーホウ」とされています。
清香花楼の工芸茶も、2006年から2013年まで、福安郊外の良質な白茶を使って生産していました。下の工芸茶の茶葉(玉)の写真を見ると、表面が白い毛で覆われていますが、それが白毫(バイハオ)です。工芸茶は茶葉(玉)の写真を見るだけでも、品質の良し悪しが分かります。